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自然素材

シックハウス症候群が社会的な問題となり、平成15年、建築物に使われる建材に含まれる化学物質に関する規制と、換気設備に関する規定が建築基準法に盛り込まれました。
 
 JIS(日本工業規格)とJAS( 日本農林規格)の規格が統一され、それまで最高ランクだったホルムアルデヒドの等級が1ランク格下げとなり、よりホルムアルデヒドの発散の少ない建材が「F☆☆☆☆」の認定マークと共に登場しました。
 いまでは星の数の少ない建材をさがしてもほとんど見つかりません。
 実際、F☆☆☆☆の建材ばかりを使用した私どもの設計の住宅では、ホルムアルデヒドやVOCは測定限界値以下となっています。

しかし全てのすまいが完全に安全になったのか、というと、そうとばかりもいえないのが現状です。
 このコーナーのシックハウス
症候群のページでも取り上げましたが、玄関を入ってすぐに身構えるような住宅も現実にあるのです。

F☆☆☆☆認定といってもVOCが0ではないことを認識し、極力安心できる素材を使うことを心がけたいと思います。

 

完全に無害な素材

一般的に使われている、住宅を構成する要素の内、本当に無害なものというのは、防腐や防蟻処理されていないムクの木材、昔ながらの製法で作られた土壁や漆喰壁、防虫剤の入っていない畳、和紙、石、金属、ガラス、陶器、屋根瓦ぐらいでしょうか。

もちろん、これらの要素のみで住宅を建てる事は可能です。ほんの50年程前までは、確かにこれだけで住宅を建てていたのですから。

ただ、シロアリ予防の為に薬剤を塗り、経済性、耐震化の為に合板を利用し、壁の耐久性、 施工性を高める為に壁土に樹脂をまぜ、虫干しの手間の軽減の為に防虫畳やスタイロ畳に置き換える。
 また、快適性の為に壁に断熱材を入れ、内装の簡略化に各種のボードやクロスを使い、美感や耐久性を考慮した樹脂塗料を利用する。

一つ一つ考えてみれば、どれも合理的な事であり、悪い事のようには考えられません。

それどころか、単純に50年前の素材だけに戻してしまうと、とても高価なものになったり、防虫や防蟻の対策が大変になったり、また、十分な断熱材が入れられないなど、とても暮らしにくい住まいとなってしまう可能性もあります。

アトピーや喘息、またシックハウス症候群などにすでになってしまった方の場合は個別に材料の選定を考えることが必要ですが、一般的には、 基本的に無害な素材を使う事を心掛けながら、必要に応じて、できるだけ害の少ない素材を選定の上活用する事が、現実的な手段だと考えられます。

 

有害物質が少ない素材・工法

住宅の耐震化、気密化の為に、一軒の家でかなりの面積の合板やボードが使われており、平成15年の法改正でのF☆☆☆☆合板の登場はおおいに歓迎しました。

じっさい、改正以前のF1合板を使用した家でのホルムアルデヒド濃度は0.07ppmと、厚生省の基準値0.08ppmをようやくクリアする値でしたが、F☆☆☆☆合板以後の住宅では測定限界値の0.01ppm以下となり、大幅な変化がみられます。

すまいには小物の為の収納がたくさん必要で、スペースを見つけるたびに小棚や収納を確保するよう工夫しているのですが、予算の関係上、家具工事ではなく、ほとんどが大工さんによる造り付けの棚や収納にしています。
 こんな場合、大きな板材で狂いの少ないもの(しかも安いもの)が必要になるのですが ムクの板では幅の小さなものしか対応できず、いろいろな合板を試しています。

普通の集成材から、針葉樹の合板、杉の積層合板やパネル、最近ではスプルースの積層合板など各種のものを使っていますが、なかなかコスト、見栄え、使用勝手のバランスのとれた物がなく、まだまだ材料さがしは終わりそうにありません。
 ただ、いまではF☆☆☆☆の認定を受けたものばかりが出回っており、その面ではさがすのが以前よりも楽になりました。

しかし、ホルムアルデヒドは接着剤として優れていただけでなく防腐・防虫効果も高く、虫のつきやすいラワン合板などにとっては最適な接着剤だったわけで、それが防腐・防虫効果の少ない別の接着剤に変わった今、ラワン合板などについては使用場所を考えなければならなくなったのではないかと考えています。

左官材料

合理化、経済性の名の元に、熟練技術を要する左官工事は、簡単に施工できる乾式のボードやクロス工事にとって替わられてきましたが、ボードやクロスのホルムアルデヒドが問題とされる中、近年、伝統素材、健康素材として再び人気が高まっています。

珪藻土
 健康素材としての仕上げ材として、今もっとも人気のあるのが、この珪藻土です。
「珪藻土」というのは、海底に積もった藻類が化石化した堆積岩で、耐火性に優れている為、昔から七輪や耐火レンガに使われてきた素材なのですが、近年、その優れた調湿性、脱臭効果をかわれて、内外装の仕上げ材として利用されるようになっています。
 天然素材という事で、VOC(揮発性有機化合物)の発生が無いだけでなく、調湿性の高さから結露の防止に効果があるとされ、また遮音性、脱臭効果に優れる等、室内環境の健全化に積極的に働く素材として人気が高まっています。
 ただ、いくら調湿効果が高いと行っても限界があり、部屋の換気を十分行って、適度な吸放湿を促してやらなければ、吸湿したままの状態が続けば結露が発生します。
 また、珪藻土だけでは固まらず、あるいはひび割れが発生したり、施工性が悪い為、なんらかの添加物を入れるのが一般的であり、この添加物がVOCを発生させないか、確認が必要です。

土壁・漆喰・プラスター
 多孔質な粒子構造をもった珪藻土程の調湿効果は期待できませんが、これら昔ながらの伝統素材もかなりの調湿性を備え、又断熱、防音性にも優れています。
 土の種類や産地、加えるもの、仕上げ方一つを変える事で全く違う表情に仕上がるのがこれら伝統素材の魅力であり、新しい表情を発揮できる仕上げ材として見直す試みも各地で起こっています。
 その地域でとれる土、さらには建築する時に発生した残土を利用する事もでき、廃材となっても土に帰る、環境への負荷の少ない素材でもあります。
 製品化されたものの中には樹脂を含んでいるものもある為、できるだけ素材を選んで調合するのがベストなのですが、色々な応用に応えてくれる、熟練した左官職人の減少や、施工費用の面で、なかなか気軽に新しい試みに挑戦できないのが難点といえます。

 

畳に使われている防虫剤や防カビ剤もシックハウスへの影響が指摘されており、また畳表に利用するイ草の栽培過程で使われる化学肥料や農薬まで、その影響が懸念されています。
 これに対し、最近、備長炭や竹炭、活性炭、炭化コルク等を畳床に入れる事で調湿、防虫作用を持たせたり、ヒバや檜の防虫効果を利用した畳が多く販売されるようになっています。また、食品並みに、低農薬、有機栽培を唱った製品まで登場しています。

どれがどの程度の効果があるのか、最低限どれだけやる必要があり、どれ程やれば万全なのか一概にはいえませんが、また、シックハウスやアトピーによる疾患があれば別ですが、大切なのは、畳の防虫、防カビ効果に過度に頼るのではなく、基本的な家の換気、通風を確保する事でダニやカビの増殖を押さえる事だと考えています。

 

塗料

法改正以後、塗料についてもF☆☆☆☆の認定を受けたものが多く出回るようになり、選定に大いに悩むようになりました。

リボス、アウロ、オスモといった、前からあるメーカーの他に、同じドイツの他のメーカーの物も入るようになり、一方国産メーカーも多く安全性をうたった塗料をたくさん出してきています。

ここでは私が使ったことのあるものを中心に、簡単な説明と感想を述べておきます。

オスモカラー(ドイツ、オスターマン&シャイベ社)

元々はフローリングや木質壁材等の木質建材メーカーだったものが、自社の製品へ塗装 する為の安全性の高い塗料を開発し、販売するようになったとの事。

住宅の屋外の仕上によく使っています。
 一番早く日本に入ってきたメーカーで、屋外での耐久性には一番実績があるようです。
 どの色を使っても外壁にあいそうで、安心して使えますね。
 乾きが遅く、1日たってもまだ半乾きのこともありますが、その分素人が塗っても色ムラになりにくく、予算がない場合、御施主さんと一緒に塗ることもあります。
 (他の塗料より値段が高いのが難!!)

  日本での販売元:日本オスモ株式会社
   http://www.nihon-osmo.co.jp/

アウロ(ドイツ、アウロ社:アウロ植物化学株式会社)

下記のリボス社から独立したメンバーが作った会社。リボス社が安全性が高ければ化学 物質も認めるのに対し、こちらでは、あくまで天然成分にこだわった製品造りを行って いるとの事。きれいなカラーバリエーションが多くあります。

木を優しく見せるカラーが一番多く揃っており、アクセントをつけたい内部のカウンターや、ドアなどによく使います。2回以上塗らないと思う色には鳴りませんが、、、。
  オレンジオイルを使用しているとかで、使うと部屋中にオレンジの香りが漂います。
 これも乾きが遅いため、色ムラがでにくく、内部には一番お勧めの塗料です。

  日本での販売元:玄々化学工業株式会社
   http://www.gen2.co.jp/

リボス(ドイツ、リボス社)

ドイツの自然塗料の代表的メーカー。木材用の浸透性塗料の他に、エナメル系塗料、エマルジョン塗料、防虫・防蟻剤を販売 している。また、アレルギー体質への取り組みも行っており、天然成分でも、より安全 性の高いものを使った製品を用意している。

 リボスは残念ながらまだ使う機会がないです。

  日本での販売元:(株)イケダコーポレーション
   http://www.iskcorp.com/

プラネット(ドイツ、クライデツァイト社)

ドイツのクライデツァイト社と日本のプラネットジャパンの共同開発の100%植物油使用の木部用塗料。県内の代理店である智久木材の紹介で使ってみました。

アウロを使う予定だったのですが、予算がなく、少し安いこの塗料の着色するものを御施主さんと一緒にフローリングに塗りました。
 オスモやアウロは乾きが遅いため、薄める必要はないのですが、この塗料はけっこう乾きが早く、だんだん色が濃くなってくるため薄め液がたくさん必要でした。
 素人が塗るにはお勧めではないですが、他より安いので塗ってもらう分にはいいと思います。

その後、ラッペンワックスという、色のつかない 塗料を試してみました。
 こちらは蜜蝋成分を主体としたペースト状の塗料でスポンジで塗ることができ、まさにスポンジでのぞうきん掛け!
 床をきれいに拭き取りながらワックス掛けするような感じです。これは結構お手軽でお勧めですね。
 

  日本での販売元:(株)プラネットジャパン
   http://www.planetjapan.co.jp

バトン(日本、大谷塗料(株))

日本の木工用塗料のメーカー。乾きが早く、価格も安いことから工務店や塗装屋さんの受けがいいようです。
 ドイツの物と違って、100%植物系とかの表現はありませんが、食品衛生法等の規格にも対応しており、安全性には問題はないでしょう。

 これは自分で塗ったことがないのでなんともいえませんが、仕上がりは問題ないです。

  製造元:大谷塗料(株)
   http://www.otanipaint.com

 

 

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